写真展『ファインダー越しの文化』参加フォトグラファーをご紹介

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宮沢喬

8月3日より文化沼にて展示中の写真展『ファインダー越しの文化』、当展示をプロデュースしたVEJより参加フォトグラファーとの関係性含めご紹介いたします。

Yukitaka Amemiya

Amemiyaさんとは、約10年以上前、日本屈指のディジュリドゥ奏者GOMAさんのライブ現場に撮影で入っていらっしゃったことが最初の出会いだったと思います。それからさまざまなライブでご一緒させていただきつつも、2016年イギリスへ旅立ち現地の著名なアーティストの撮影をおこなっていたことを遠くから見ていました。それからコロナ禍を経て帰国し、出身が山梨ということもあり、再度交流をしつつ、インストバンドPYRAMIDのプロジェクトで、撮影を依頼させていただきました。彼らの音楽を理解し、革新的なアイデアをいただきながら撮影できたことをよく覚えています。
今回の展示では、どのような表現を彼がするのか、現在この執筆段階ではまだ作品が未着の状態ではありますが、とても楽しみしています。

梅原 渉

梅原さんこと梅さんとの出会いは、七尾旅人さんとのインタビュー撮影が最初で、最も印象深いのは2011年レイハラカミさんのお葬式だっかと思います。ハラカミさんと交流が深く、彼の作品の多くを梅さんが手掛けております。
それから、なぜかレーザーをはじめた梅さんと「光線クラブ」というユニットを結成し、数々のライブ現場でレーザーとVJでの演出を手がけました。
そして数年前、いきなり大井新地でバーを始めるという、もともと本人は飲み屋をやりたかったのか、それはわかりませんが、突拍子もないというかなんとも梅さんらしいなと思った感じです。文化沼が始まる前に、梅さんのバーを訪れるべく大井町に行きました。そこで行った「肉のまえかわ」や梅さんのバー「大井新地_0m先」など、小さいお店ながら地元の人に愛されていることを実感でき、文化沼も大きな影響を受けています。梅さんのバーの2階はギャラリーとなっていて、梅さんの作品を見ることができます。実際に見に行ってほしいのですが、どの作品も個性が強く、類を見ないものばかりです。今回の展示ではそこから持ってきてもらったものと聞いています。再開発が進む大井新地、戦後から残り続ける飲み屋街、そのアンバランスさがなんとも面白い大井町、梅さんはいろいろな思いを持って飲み屋をやりながら写真を撮っています。大井町同様にどの町も消えゆく歴史と新しい未来の狭間にいると思います。梅さんの作品をみて、残りゆくものや消えてしまうもの、時代とともに感じる小さな変化に目を向けてみてはどうでしょうか?

折井 康弘

折井さんとは、ディジュリドゥ奏者GOMAさんのライブ現場はもとより、音楽フェス「ハイライフ八ヶ岳」での撮影をご依頼させてもらったことがとても印象に残っています。ライブ写真の現場はとても特殊で、アーティストのライブその一瞬にすべてをかけて撮影をおこないます。アーティストとお客さんの間に、場所取りやタイミング、現場スタッフとの関係性など、さまざまなハードルを越えたところでシャッターを切るわけです。そういった絶妙な立ち位置でのふるまいなどを折井さんに教えてもらいました。
それから、ハイライフに限らずりんご音楽祭や池袋パルコのチルシティなどさまざまな現場でご一緒させていただいています。折井さんの素晴らしいところはアーティスト含めしっかりとした信頼関係を築けるところだと思っています。今回展示する作品もまさにその表れかと思いますので、ぜひお楽しみください。

丹澤 由棋

丹澤くんとの出会いもライブ現場だったかと思います。印象に残っているのはコロナ禍で開催されたROVOのワンマンライブでライブ配信のディレクションを任されたことです。彼は写真に限らず映像などのディレクションもしっかりしているので、プロジェクトの意図をくみ取り自身のアイデアをもって撮影全般の統括をすることができます。そのため、VEJとしても、鰻と喫茶とレコードのお店「Blowin’ in the Wind」や宇宙ブルーイングなどの撮影をお願いしています。
今回の展示では作品のコンセプト立てから自身の技術を組み合わせた表現を見ることができます。

土屋 誠

クリエイティブ業界において山梨で土屋さんの名前を知らない人はいないというほど有名なアートディレクターである土屋さんは、フリーマガジン「BEEK」の発行(早く新作見たいw)はもちろんこと、冊子やロゴ、WEBのデザインに限らず、富士吉田市で開催されているハタオリマチフェスティバルのプロデュースなど多岐にわたり活躍しています。自身でもカメラを持ち撮影もおこなっており、VEJとしても数多くのプロジェクトを一緒に制作しています。そんな公私ともにお世話になっている土屋さんの展示は、自作の詩と併せて写真作品を展示しております。

砺波 周平

砺波さんは、写真家としても数多くの展示をおこなっているフォトグラファーで、雑誌dancyuをはじめとする著名な雑誌などでも彼の作品を見ることができます。VEJで制作している印傳屋のWEBプロジェクトでもたびたびご一緒させていただいています。
砺波さんが表現する文化とは?当たり前の日常からひょんなことから目線をずらすことで見えてくる景色が今回の展示にあります。

Nozomi Nishi

西さんとも数々のプロジェクトをご一緒させていただいています。特に印象的なのは環境教育の第一人者である川嶋直さんのポートレート撮影でした。ポートレートでありながら川嶋さんの多彩な事業を小道具を用いつつ、現場でバリエーション豊かに撮影いただきました。
西さんの人柄がよく出ているコメントと共に展示をご覧ください。きっと感動すると思います。

Kota Hata

コータ君は北杜市で美容師でヘアメイクアーティストであるリエさんと共にGOOD SENSEという屋号をもつフォトグラファーです。
GOOD SENSEの2人はなんというか固定概念にとらわれない、自由な生き方というか、山登りはもちろんのこと、畑をやったり、鳥を育てたり、蜂蜜をとったり、スノボしたり、長旅に歩いて出たりと、植物や自然、動物などを愛し尊重し、まさに共存共栄を持って理想的なライフスタイルを実現実行している2人だと勝手に思っています。
そんなコータ君に投げかけた”文化”の表現とは?
ありのままを切り取ったような展示をぜひご覧ください。

平山 亮

先日文化沼で開催したカルチャーレッスンにご来場いただいた方はご存知だと思いますが、蓬来軒をはじめとするさまざまなプロジェクトでも平山さんとVEJはご一緒しています。
平山さんは撮影をするモノやヒトととことん向き合い、その良さを引き出す圧倒的な技術力を持っています。かたや、ストリートスナップというアーティスト性も兼ね備えています。
今回の展示では、普段VEJとご一緒している商業的撮影ではない平山さんの作品をあますところなくご覧いただけます。

古厩 志帆

古厩さんとは音楽フェス「ハイライフ八ヶ岳」の撮影でご一緒させていただいています。
古厩さんの写真は、ハイライフのような音楽だけではなく、会場の環境など雰囲気の中でお客さんが一体となって楽しんでくれている様を見事に表現してくれています。それは彼女からにじみ出る優しさがそのような写真に表れているのだと思っています。
今回の展示に関しても同様に彼女が見せてくれる優しさの導きをぜひご覧くださいませ。


以上、10名のフォトグラファーをVEJとの関わり合いと共にご紹介させていただきました。

ご覧いただいた通り、今までプロジェクトをご一緒させていただいたフォトグラファーが中心となって今回の展示にオファーをさせていただきました。
その上で、過去にご一緒させてもらった商業的な写真ではなく、“文化”という難題のテーマに寄り添ってもらい、それぞれが悩みながら本展示に向き合ってくれました。
各作品の展示には、フォトグラファーそれぞれのコメントも添えております。
ぜひともフォトグラファーのコメント共に写真作品をご覧いただき、それぞれの思いを読み解いてみてください。