『鐘が鳴るとライブを思い出す』開催レポート

Photo:
砺波周平
Video:
三田村亮
Text:
清水柊子

2024年2月3日(土)、現在開催中の小幡彩貴個展『鐘が鳴ると何かを思い出す』の特別企画として『鐘が鳴るとライブを思い出す』という音楽+ライブドローイングのイベントを開催しました。

今回は、あだちさんの弾き語りライブと小幡さんのライブドローイングを一緒に行う特別企画。

文化沼では、初めての試みとなる音楽ライブのオファーを引き受けてくださったあだちさんによる弾き語りが始まったのは、16時半。
まだ夕暮れ前の柔らかい空気の中、あだちさんの豊かなメロディと歌声が響き渡りました。

小幡さんのイラストとなんとなくリンクする歌詞をなぞりながら、その情景を思い浮べたり、何かを思い出したり、あだちさんの心地よい抑揚を感じながら、思い思いの時間を過ごしました。

17時、文化沼内が一気に静けさが訪れると窓を開けて外の騒音をかき分け、甲府の鐘である「甲府市の歌」に全員で耳を傾けました。

「こんな音楽だったな。そういえば、小学校の時歌を習ったな。」と私は鐘の音を聞いてその『何か』を思い出していました。

17時過ぎから小幡さんのドローイング。
今回のグッズのために書き下ろしてもらった作品をその場で原画にしてもらいました。

手元を投影する形で、あだちさんと小幡さんでスクリーンを挟みながら、両方のライブが同時に行われる特別な空間。どちらのライブにも惹きつけられてしまいました。

ライブ終了前のトークで小幡さんは、
「毎日BGMを聴きながら制作をしていて、その感覚でいれたので緊張しなかったです。あだちさんの声がとても心地よかったです。」と話していて、間近であだちさんのライブの音を聞いているのに、小幡さんの制作部屋を覗き見しているような、不思議な空間に包まれました。

『鐘が鳴るとライブを思い出す』というこの企画のタイトルのように、甲府の鐘が鳴るタイミングでこのライブを思い出してもらえたら嬉しく思います。

このような貴重な機会を作ってくださったお二人、ご来場いただいた皆さまに感謝しております。

ありがとうございました。

当日のライブのダイジェストを公開しています。
ぜひご覧ください。

Video by 三田村亮 @mitamuraryo

あだち麗三郎

あだち・れいさぶろう

ドラマー / サクソフォン・プレイヤー / シンガー・ソングライター / プロデューサー / ミキシング・エンジニア / 療術家、からだの研究家。
2009年に1stアルバム『風のうたが聴こえるかい?』を発表して以降、2ndアルバム『6月のパルティータ』(2013)、3rdアルバム『ぱぱぱぱ』(2015)、4thアルバム『アルビレオ』(2019)をリリース。2021年9月には、折坂悠太、東郷清丸、3日満月、黒岡まさひろ、中川理沙(ザ・なつやすみバンド)、T.V.not Januaryをゲスト・ヴォーカルに迎えた5thアルバム『風のうたが聴こえるかい? -2021-』を発表。ソロに加え、cero、GUIRO、鈴木慶一、ノゾエ征爾演出演劇作品、モモンガ・コンプレックス、木ノ下歌舞伎らのサポートや、リーダー・バンド“あだち麗三郎と美味しい水”(あだち + 谷口 雄 + シンリズム + kauai hirótomo + メルセデス増田)、伊賀 航、寺尾紗穂と組んだトリオ“冬にわかれて”、片想い、Hei Tanakaなどでも活動。
音楽家としてのみならず、2021年には施術家として【療術院ぽかんと】を開業、月3日ほどの営業日はリピーターで満床に。

Official Site | https://reisaburo.info/

小幡彩貴 SAKI OBATA

illustrator / graphic designer
山梨県甲府市出身。2009年桑沢デザイン研究所総合デザイン学科卒業。2010年~2014年有限会社ナノナノグラフィックスにてグラフィックデザイナーとして勤務の後、現在フリーランスのイラストレーター・グラフィックデザイナーとして活動中。「美術展の手帖」(小学館)装画・挿絵や、その他雑誌、書籍等でもイラスト、デザインを手掛けている。個人作品では季節をテーマにイラストを描いている。

▼Instagram
@obatasaki

日時

2024年2月3日(土)
16:30開始(開場16:00)
【chime 17:00】

出演

Music:あだち麗三郎
Live Drawing:小幡彩貴