BUNKANUMA REVIEW

気になるあの人が
気になるアレコレをご紹介!

「意味や理由に飼い慣らされる私たちは、それが見当たらない状態で考え続けることが苦手になってしまった。こうして、言葉を拾うコーナーをやっておきながら、矛盾したことを言うようだが、言葉を探しすぎる、拾いすぎるのもよくないのだろう。」(本書213ページより引用)

2022年2月12日放送のNHK ETV特集での詩人・谷川俊太郎の言葉「(前略)存在っていうことを、言葉を介さないで感じ取るってことが、すごく大事だと僕は思ってんのね。」を受けての文章。本書は、幅広いメディアで連載を持ち、ラジオパーソナリティとしての顔も持つライターの著者が、日々目にする本、新聞、ラジオ、テレビ番組、CM、ウェブメディアなどから言葉を拾い、考察する連載に大幅に加筆してまとめたもの。言葉の本質を問い続ける著者を立ち止まらせるのもまた言葉。洪水のように情報を浴び続ける現代人に、答えを急がずにじっくりと考える大切さを訴え続ける。武田砂鉄の本はどれも素晴らしいが、もし未読の方がいらしたらまずはこの本を差し出したい。連載は『暮しの手帖』で現在も続行中。

著者:武田砂鉄
出版社:暮しの手帖社