灸.I.Y『漢方と感性』イベント&トークセッション レポート

4/18-19で開催された、moxiesと文化沼の共同企画の『灸.I.Y』
二日間、ご参加いただいた皆さまありがとうございました!

ヨガとお灸のワークショップと漢方坂本さんの書籍の出版イベントとしてのトークセッションを開催しました。

自分の身体の不調を見つけたり予防するために、セルフケアをしながら身体を労ってあげて、いつまでも健康でいようね!
と、そんな普及も込めて文化沼ではじめたこの企画は、今回で二回目。

moxiesの文子副院長をはじめ、講師や登壇者の皆さんのおかげで無事開催できました。

moxiesの亀割透院長からのトークセッションのレポートをこちらでもお届けいたします。

感性という、言葉にしにくい、曖昧なものについて語り合う。 
トークセッションで。

…果たしてそれが成立するだろうか⁈
どこにも行き着かなかったらどうしよ…

始まる前までは不安でいっぱいでしたが、そんな心配は終わった後は霧散していました。

坂本壮一郎先生
膨大な医学知識を持ちながらも、それに振り回されず、人間と東洋医学の本質を射抜かんとする目を持ち、卓越した言語センスでそれらを次々と言葉にして下さいました。

斎藤圭一先生
医師でありながら、都度、相手の立場に成り切って話して下さるだけでなく、ユーモアのセンスを深いところから繰り出し、会場にたくさんの安心感を与えて下さいました。

森ゆにさん
自分の中心に一本の軸を持ちながらも、自分が受け取る様々な感覚の内、良いものだけでけなく、悪いものまでも見つめ、善きものに転換しようとする姿勢を見せ続けて下さいました。

このようなエネルギーがぐるぐる循環し、大人が、真剣に裸の意見を言葉にしていく、とても良い時間となりました。

今回の発端となったのは坂本先生のご著者。
僭越ながら、敬意を込めて、私なりの感想を少し紹介させてください。

この本は、知識を伝えるhow to的な構造にはなっていません。一見ライトなエッセイ集に見えるけど、それも違います。
言葉は丁寧で熟考されていて配慮に満ちているけど、実は非常に挑戦的な部分が根底にある本だと思います。

それは読者の中から何かを引き出そうとする本、という部分です。

前半、大切な疑問は投げるけど、なぜか教えてくれない。読んでいて、始め、ストレスがモヤります。

しばらく、感性を巡る”なぞなぞ”が続きますが、後半に向かうにつれ、問いを投げかけ続けた理由が次第に明らかにされます。
しかも、その理由によって、より深い思索に誘います。

結果、読む側は、問いを保持しながら、本を何周かする羽目になる。そこまでは分厚くないし、飛ばし読みしても大丈夫なので、できてしまいます。

そうこうするうちに、徐々に文章の直接の意味とは別に、”行間に書かれた著者の声”が大きくなってくる気がします。

なんていうか、なぜ著者が問いかけに留まり、あんま教えてくれないのか、だんだん意味がわかってくる気がしてきます。
同時に、本の景色が変わってきて、問いに対して自分なりの回答が見えてきます。

すると、いつしか著者である坂本先生が消えて、自分が、自分が発した問いと対面している感じになってしまう、という不思議体験が発生します。

これらを経て、散らばっていた疑問が、端的で確信的な言葉として一つの回答へと収束し、最後にはこんな気持ちになりました。

自分なりにたどり着いた答えは、急に人に伝えても伝わらないかもしれない。
が、胸の下のあたりの微かな暖かさとして、私を守ってくれている気がする

いつの間にか謎のそんな気にさせてしまう
ヤバい系の本、です。

坂本壮一郎『漢方と感性』
理性やロジックが重用される現代だからこそ、人間の中にある”もう一つの本質”を照らさんとする本として、穏やかに、しかし確実に輝き、世代を超えて誰かの足元を導く風景が見えます。

PS
会場では伝えきれませんでしたが、もう一つ今回のゲストにまつわる不思議体験があります。シンガーソングライターの森ゆにさんです。

以前、東京で勉強会を終え、疲れ切った状態で夜、どうしても車で長野まで帰らなければならない日がありました。
長距離運転にもなれておらず、色々ギリギリのフィジカル。なんとか気を紛らわそうと、車にあった森ゆにさんのCDを、ふとかけました。

運転に集中しなければならないので、いわば音を浴びているだけ、の状態。
しかし、しばらくしたら、疲れが全く感じられなくなって、なぜかむしろ元気になってしまいました。  
そのまま何事もなかったかのように帰宅。

理由はわかりません。でも、ゆにさんの音楽は、物語や感情だけでなく、匂い、湿度、風、光など、身体がはじめに感じる感覚自体も扱っているような気がします。
しかもそれが、自分のどこかが知っている”安心して帰る事ができる場所”のようなものとして感覚される気がします。
それはどこか治療的な感じがします。

音楽に、治療的なものを意識されているのかどうか、今回のトークセッションでは聞きそびれてしまいました。
でも、気になる方は是非聴いてみて下さい。スマホなどの小さなスピーカーではなく、音の質感が一定以上わかるもので聴くのがおすすめです。
  
私が不思議体験をしたのは『朝の山霧』です。

最後に
今回のトークセッションでは、愛知県や京都、海外など遠方にお住まいの方にもお越しいただきました。
応援して下さった皆様、ご来場のみなさま、ゲストの皆様、痒いところに手を伸ばして下さった文化沼(VEJ)の皆様、
お忙しい中素晴らしい空間を作って頂き、また多くの学びを頂き、ありがとうございました!!
最後にお礼を述べ、レポートを終えさせて頂きます。

moxies